ほとけさまのお悩み相談室

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すぐにみんなから嫌われている気がして落ち着かなくなるのですが…

Q. お悩み

どうして私はみんなから好かれないのでしょうか。自分は人から嫌われやすいと悩んでいます。

A. お答え

「慢」「過慢(かまん)」「慢過慢(まんかまん)」の3つ

 私たちは誰かと接した時、自分よりも優れた人に対しては、ねたましくなって、自分よりも劣っている点を探そうとします。

 自分と同じレベルの人に対しては、自分のほうが上なのだと思い、なかなか相手を認めることができません。

 自分よりも劣った人に対しては、明らかに自分のほうが上なのだと相手を見下す心が出てきます。

 これらの心は、私たち誰もが持っている「うぬぼれ」の心で、学校や職場での人間関係や友人関係をギスギスさせたり、窮屈にさせたりします。

 こうした「自分のほうが上なんだ」と思う心を、お釈迦さまは「」「過慢(かまん)」「慢過慢(まんかまん)」の3つに分けて教えられています。

「慢」とは

 まず「」とは、自分よりも劣った人を見た時、相手を見下す心のことです。
 女性なら、周りの女性の持ち物やファッションを見て、「私のほうがかわいい」とか「私のほうがおしゃれ」と思ったりすることです。
 男性なら、年収や会社の名前、肩書き、仕事ができるかできないかといったところで、「俺のほうが上だ」「こんなこともできないのか」と相手を見下すことです。

 あからさまに「私(俺)のほうがいい」と言わなくても、そんな心が相手に伝われば嫌われてしまいます。口でひどいことを言われるよりも、冷ややかな目で見られるほうが、グサリと深く傷つくことがあります。

 近年、「上から目線」という言葉がよく使われますが、相手を見下す「慢」の心は、目から漏れて外に現れてしまいますから、よくよく気をつけないといけません。

 どうして私はみんなから好かれないのだろうか、自分は人から嫌われやすいと悩んでいる人は、自分がどんな目で相手を見ているかを、ちょっと振り返ってみましょう。
 逆に、思いやりの心を持って、優しいまなざしで接することを「眼施(げんせ)」といいます。これについては別の機会に述べます。

「過慢(かまん)」とは

 次に「過慢(かまん)」とは、同じレベルの相手に対して、自分のほうが優れていると威張る心のことです。
 例えば、テストの成績で相手が70点、自分も70点で同じとすると、

「相手は親が金持ちで家庭教師がついている。でも、私は塾にも行かずに独りで勉強している。条件が同じなら、本当は私のほうが成績は上だったのに」と思うような心です。

 

「慢過慢(まんかまん)」とは

その次の「慢過慢(まんかまん)」とは、自分より優れている相手に対して、素直にその事実を認められず、相手の欠点を探して、「私のほうが上だ」と思う心のことです。
 例えば、テストで相手は90点、自分は80点だった時、

「相手は勉強が少しできるかもしれないけど、スポーツはまるでダメだね。その点、私は両方できる」

 と自分に都合のよい理由をひっぱり出して、相手の上に立とうとする心です。

 人はとかく、相手の優れているところや実力を認めたくないものです。
 私たちは学校や職場、地域などで、たくさんの人に囲まれて生きています。その中で、「自分とあの人はどっちが上か下か」と考えて、イライラしたりギスギスしたりしていないでしょうか。

 そんな時、お釈迦さまの言われた3つの「うぬぼれ」で相手を見下していないか、自分の心を見つめる努力をしてみましょう。
 いつもより嫌味なく、朗らかに周りの人と接することができるようになります。

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