私たちは、人生において思いどおりにいかないと、「生まれつき運が悪いから」とか「私はそういう運命なんだ」と考えて、すぐあきらめてしまいます。
つまり、運とか運命のせいだと言って、原因から目をそらしてしまうのです。
物事がうまくいかないのは、果たして、生まれつきの運や運命のせいなのでしょうか。
もし、生まれついての運命が原因というのなら、一生、うまくいかない人生から抜け出せないことになってしまいます。
私のメルマガの読者である28歳の会社員の女性Aさんから、メールでこんな相談が届きました。
「最近、仕事がうまくいかなくて、仕事を変えようかと思っているんです。どうしていつもこうなっちゃうのかな、なんでついてないんだろう、運が悪いんですね」
という内容でした。
Aさんが悩みを直接聞いてほしいと希望していたので、電話で話を聞きました。
Aさんは事務の仕事で、確認ミスや計算ミスが多く、上司からよく注意されていました。それに加えて、ミスをしても素直に謝れなかったり、同僚からフォローしてもらっても感謝の言葉がなかなか言えなかったりしたせいで、Aさんに対する周りの空気が冷たくなって、会社に居づらくなっているということでした。
ところが、そのことに触れようとするとAさんは、
「そそっかしくて不注意なのは、生まれつきなんです」
「会社には、自分を分かってくれる人がいないし、自分を生かせる仕事も見つからない。出会いの運も仕事運もないんです」
と言って、自分が失敗続きなのは、生まれつきそそっかしい性格で、運が悪いからだと、運や性格のせいにするところから少しも動こうとしません。
そこで、私は、
「よく分かりました。だけど、ちょっと考えてみてください。あなたの仕事や人間関係の悩みが、生まれつきの性格や運のせいで、一生変えようがないのなら、あなたはこれから一生、ずっと同じことで悩み続けなければならないということになりませんか」
と投げかけてみました。
すると、Aさんは、
「そうですけど……、それは嫌です」
と言われたので、
「やっぱり、嫌ですよね。じゃあ、あなたの、ついていない、運が悪いっていうのは誰が決めたんですか」
と尋ねると、
「……私です」
と言われます。Aさんの考え方がちょっと変わってきたなと思ったので、
「あなたの性格は生まれつきで、変えられないものなのですか」
と先ほど言ったことを再び繰り返すと、
「いえ、やっぱり、努力すれば変えることができると思います」
と言われました。
「そうですよね、生まれつきの性格や運のせいにするのでなくて、これからどうしたら、同じことで悩まないように自分を変えていけるか、それを一緒に考えてみましょう」
とAさんを励ますと、
「分かりました。性格や運のせいにしても何も変わりませんもんね」
と打って変わって元気に答えてくれました。
Aさんだけでなく、私たちはうまくいかないと、「生まれつきだからしょうがない」とか「もともと運が悪いからだ」と思って、物事を投げ出してしまいがちです。
しかし、お釈迦さまは、
「生まれつき運がよい、悪いとは決まっていないのだよ。
運命はこれからいくらでも変えていけるのだよ」
と教えられています。
私たちの運命は何によって決まっているのか、そして、どうすれば幸せな運命にしていけるのかというお釈迦さまの教えを、私がこれまで出会ったいろんな方々の悩みを通して、お話ししていきたいと思います。
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